Astar Network解説資料

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このページは@nobumeiが個人的にまとめたAstar Networkについての解説です。
■ アジェンダ

基本概要

基本情報

Astar Networkとは

Astar Network(以下、Astar)は、渡辺創太氏がFounderを務めるPolkadot上のdApps Hubになることを目指したLayer1ブロックチェーンです。Polkadotはブロックチェーンの相互運用性の課題を解決することを目指しており、その設計上、スマートコントラクトをサポートしておらずPolkadot上に直接dAppsを構築することができません。
Founderの渡辺創太氏
日本の税制や法律の規制によって自由にWeb3.0プロダクトを作りにくい環境下において海外で活躍する渡辺創太は明治維新の時の坂本龍馬的な存在になりつつあります。
参考)Polkadotが解決する課題「ブロックチェーンの相互運用性」とは
現在のブロックチェーン同士はキレイに接続されておらず、Bridgeのような仕組みを使って擬似的に接続しているのが現状のため、資産の移動のたびに手数料がかかったりGOXするリスクが存在する非常に使いにくいUXになっています。
この状態をブロックチェーン同士のインターオペラビリティが無い。と呼び、ブロックチェーンの課題として良くあげられる部分です。
インターオペラビリティ(Interoperability)とは「相互運用性」の意味です。難しい日本語ですが、お互いに互換性のある関係だと思っておけばよいです。
例えば、家電には様々な種類がありますが、コンセントは全部同じ形してますよね?コンセントが同じなので、一々コネクタなどを購入せずともすぐに家電が使える。これが相互運用性です。
さらに例を重ねますが、日本のコンセントと米国のコンセントは形が違いますよね?これだと不便だから、全部同じにしたらええやん。というのがブロックチェーンの相互運用性の課題です。
(調べてみたけどありすぎー笑)
(調べてみたけどありすぎー笑)
つまり、このレイヤーが解決したいシンプルな課題はブロックチェーンごとにデータが分断されていると不便なので繋がっていたほうが良くね?という部分です。
Polkadotがどのようにこの課題を解決しようとしているかと言うと、Polkadotという大きなブロックチェーン(リレーチェーン)を作りそこに小さなブロックチェーン(パラチェーン)を接続すればいい。という解決方法です。
このプロトコルが出来上がれば、新しく作られたブロックチェーンが、トランザクションやメッセージをお互いに送信可能になります。この課題を解決しようとしているプロジェクトで有名なものがPolkadotとCosmosです。
その点、AstarはEthereum Virtual Machine(EVM)とWebAssembly(WASM)をサポートしており、EthereumやWeb Appを開発していた開発者がdAppsを開発しやすい環境を整えています。
Astarは2021年11月に開催されたPolkadotのパラチェーンオークションでの投票で勝ち上がりPolkadotのリレーチェーンに接続する権利を獲得したことで、Astar上のdAppsはPolkadotが持つ高いセキュリティとスケーラビリティを享受することができます。
AstarはPolkadotの1/10の規模を持つテストネット的な意味を持つKusama Network上においてもShiden Networkというパラチェーンを接続しています。
Astarは2022年1月に正式ローンチされ、独自トークンであるASTRも発行されました。発行当時、時価総額は3,000億円を超え、ユニコーン上場となりました。日本ではプライベートブロックチェーンを採用するプロジェクトが多い中、パブリックブロックチェーン上で活躍する日本発のプロジェクトということで、日本のWeb3.0界隈から応援されています。
また、Astarは自らのエコシステム内にdApps開発を推奨するためのdApps Stakingという仕組みを持っており、貢献した開発者が金銭的メリットを享受できる「Build to Earn」を実現しているためdAppsやDeFi、NFTなどの様々なプロジェクトが動き始めています。

Astar / Shiden Networkのここがすごい

1. グローバルでの圧倒的な実績

2020年のLockdropイベントで当時のETH価格で65億円をコミュニティから集める
Polkadotパラチェーンオークションにてコミュニティから450億円のDOTデポジットを受ける
PolychainやBinanceなどグローバルで強いコネクションを持つ投資家からの資金調達実績
Stake Technologiesはこれまで複数の資金調達ラウンドで1,240万ドル(約14億円) を調達しています。主要な投資家としては、Binance、OKEx、Fenbushi Capital、Hypersphere Ventures、Gumi Cryptos Capital、TRG Capital、AU21 Capital、Digital Strategies、Sub0 Capital、SNZ Holdings、Altonomy、East Ventures、出井伸之氏、内山幸樹氏、坂井豊貴氏などです。 「日本から世界で勝負する」国産ブロックチェーンAstar NetworkがBinanceらから2.5億円調達
Astarローンチ時の時価総額3,000億円超え
33億円規模のdApps Growth Fundを組成
Astar上での1万円のGenerativeNFTプロジェクトが始動
今後のRoadmapも公開されており着実な成長が期待できる
成長するエコシステム

2. Web3.0のど真ん中の思想

AstarのFounderである渡辺創太氏の掲げる思想がWeb3.0ど真ん中を貫いておりそれが設立当初からブレていない点が素晴らしいです。
資金調達で楽なICOという手段を取らずに面倒なことを確実にやってきた実績
Astarが開発を始めた2017−2018年ごろ、Crypto系サービスを開発するプロジェクトは早々にトークンを発行し、ICOすることで資金調達することが当たり前でした。特に2020年ごろはPolkadot系PJが多数ICOしていました。
Astarは簡単に調達できるICOという手段を取りませんでした。Web3.0のインフラになるためには完全なDAOでの運用となる必要があり、ICOをしてしまうとお金がある人がトークンが集中してしまうからです。
プロジェクトが発行するトークンの配分は時代とともに移り変わりつつありますが、2017年当初はパブリックセールでほとんどを販売する方式が主流で、DAO化を目指しコミュニティへの配分を増やしチームや投資家へ配分する量を減らす動きは最近になってからです。
Ethereumですら、パブリックセールでほとんどのトークンを排出しています。
Astarは設立当初からDAOを目指し一貫した取り組みを貫いてきています。そこには彼らの「信念」があります。「Astar Networkは”Community Driven”である」「将来的にDAO化を目指す」というコアチームが初期から発している発言に信念が現れています。
多くのPJがICOする中でPublic向けのトークン配布はLockdropのみ、プロダクトは将来コミュニティのものになるのでチームや投資家の持ち分を極限まで減らした設計、しかしそれでも開発の資金は必要なのでBinanceなどからGrantや有名所から調達して開発を行ってきていました。
その活動があったからこそ、今ローンチと同時に複数の取引所へのリストされる地盤が構築できています。少し目線を横にずらすと後発のプロジェクトが何億という資金をICOで稼いでいるのが見えたはずですし、そしてこれをあの長い冬の中でやっていた訳ですから、これを外野から見て考えると想像を絶する忍耐力と信念です。これほどの信念があったからこそAstarの文字通りのWeb3起業家の星になりつつあると思ってみています。
将来的にDAOを目指している
分散型プロトコルの多くは、株式会社ではなく、DAOで運用されておりAstarもDAOを目指しています。発行しているASTRの運営の持ち分は5%と少なく将来的にDAO化し自分たちが作ったプロトコルを手放すことを受け入れたメンバーにより運用されています。
この株式会社とDAO型組織の相性は利益相反の関係になっています。株式会社は時価総額を高め、株式の価値を上げていくことが至上命題でありますが、DAOに目標はガバナンストークンの所有者が完全分散化しWeb3.0時代のインフラとなることです。
そのため、株式会社の資産は時間とともに増大し大企業へと成長していきますが、DAOの場合は時間とともにトークンをコミュニティに分配していくのでいつかは運営・開発を行う組織はなくなり完全分散状態に達します。
株式会社がトークンを発行しDAOを目指していた場合、DAOを目指すために自社保有資産のトークンを売却し続けることになり時価総額が下がってしまい自己矛盾に陥ってしまいます。そうなると株主への責任を果たすことが出来なくなってしまいます。
dAppStakingにより、dAppsを開発する開発者に貢献する仕組みが実装されている
dApps StakingとはAstarのブロック生成報酬の半分をAstar上でのdApps開発者に還元する仕組みのことです。
dApp Staking:https://portal.astar.network/#/balance/wallet
こちらはAstarが開発するKusama上のパラチェーンShiden Network上のdAppsStakingの様子ですが、SUSHI TOPもNetwork上のdAppsの1つとして登録されその恩恵に預かっています。
Network上のdAppsとして登録されると、ASTR / SDN保有者がそのdAppsに対してトークンをStakingをすることができ、APY9%近い報酬を受け取ることができます。
この報酬はAstar / Shiden Networkのブロック生成報酬から生み出されるもので、Bitcoinのマイニングに当たる報酬です。この報酬の50%がdAppStakingされているdAppsのStaking量に応じて分配される仕組みになっており、登録されたdAppsはStaking量が増えるほど大きな報酬をもらうことができます。
どういうことかというと、Astar Networkのブロック生成報酬の内40%がdApps Stakingに割り当てられており、そのうち50%がAstar上でdAppsを開発する開発者にASTRトークンとして支払われるためです。
これはBitocinのマイニング報酬がライトニングネットワークを開発する開発者に分配されるようなものです。これにより、開発者はプロダクトが完成して収益を上げる前に報酬を受け取ることができるので生活の基盤が安定し開発に専念することができます。
この仕組は開発者以外でも利用することができ、Astar上でdApps Stakingしているページ一覧から「このプロジェクトええやん」というプロジェクトに対して応援Stakingすることができます。StakingしたdAppsが貢献して得た$ASTRをAPYとして受け取ることができるので、開発者でなくてもメリットがあります。
プロトコルの開発初期は誰もStakingする人がいない課題もありますが、Astar / Shiden上で必要だと認められたプロトコルは運営のTresuryからStakingしてもらうことができます。SUSHI TOPは日本でShiden NetworkのNFTを大量にばらまくことをミッションとしているため、SDNのStakingを運営より受けることができています。
このdAppStakingの仕組みはトークンの分配率が下がるので投資家からすると辞めてほしいことなのですが、dAppsの数を増やしDAO化を早く進めるためにこの仕組をAstarでは導入しています。

3. 日本全土から応援される土壌が整っている

Astarはグローバルで実績を残しているプロトコルですが、企業のPR文脈としては
  1. パブリックブロックチェーンで実績を残していること
  1. Founderの渡辺創太氏がZ世代の若者であること
  1. 日本人でありグローバルで通用する唯一のプロトコルであること
これらの要素を持ったAstarを企業が応援していることを示すことで以下のようなメリットを得られ企業イメージを向上させることができると考えます。
Web3.0の思想への共鳴
現在、企業でのNFT活用やWeb3.0への対応などが検討されている最中であるが、グローバルで実績を残すAstarの支援を表明することでWeb3.0への理解を示すことができます。
その他、企業がNFTやWeb3.0に対応する方法として高額NFTやENSの購入がありますが、Astarへの応援と理解を示す行為が日本企業のWeb3.0対応の1つになると考えます。 VISA, CryptoPunksを購入したことを発表
Z世代の若者に対する支援
Z世代の頑張っている若者を応援することは自然なことです。人種差別や格差社会、地球環境など世界には様々な問題に溢れており、その課題に対して企業が明確なメッセージを出すことをZ世代の若者は求めています。
丸井のようにグローバルで活躍する渡辺創太氏をアンバサダーに据えることで若者への応援を示すことができます。
丸井が渡辺創太氏をアンバサダーに:丸井グループが将来世代を「アドバイザー」に選任
日本人が開発するプロトコルであること
日本はWeb3.0において世界からは遅れている現状があり、世界のトップランナーとして活躍する日本人を応援するのは自然なことです。思想や運営する人物像、日本の状況どれをとっても応援できる土壌が整っています。
日本ではパブリックではなくプライベートブロックチェーンを採用する傾向にあり、日本国内向けのサービス開発が「当たり前」になっている現状があります。その現状に対し、パブリックブロックチェーン上で実績を残すAstarは「正しい」Web3.0サービス開発の手本となっている面があります。
 
また、日本は税制の不遇がありWeb3.0起業家が海外に流出している現状があり、そのAstarもその1つです。
日本でWeb3を本気でやろうとするとかなり難しい現実が立ちふさがっています。
このあたりについてはこの記事で解説しています。

Astar Networkを採用するメリット

  1. コストが圧倒的に安い
    1. NFTの大量配布を考えるのであればGasコストが圧倒的に安いSDNがおすすめです。
      やや処理の重いWrite処理、チェーンごとのガス代の目安です Ethereum : 352ドル Polygon : 0.36ドル BSC : 0.18ドル Arbitrum : 16ドル OptimismETH : 5.83ドル Astar     :0.00023ドル Shiden :0.000092ドル Avalanche C−chain : 2.21ドル
      販売を行う場合は購入通貨がASTS / SDNとなり、入手経路が難しくなるので要検討
  1. dApps開発の簡単さ、dAppStakingの恩恵を享受できる
    1. EVMとWASMに対応しているため他チェーンからのスイッチングコストが安くすみます。
    2. 運営にdAppsの価値を認めてもらうことができれば、運営からStakingを受けることができ、Staking報酬を受け取ることができます。
    3. Stakingにもよりますが、毎月の固定収入が約束されるのでベンチャー企業からするとありがたい存在です。
  1. Astarとのリレーションを持つことができる
    1. プロジェクト運営から直接日本語でサポートが受けられる。Layer1ブロックチェーンと日本語でコミュニケーションを取れる機会は貴重です。
    2. 実績が出ればTwitterなどでグローバルに宣伝してもらえる。AstarのTwitterフォロワーはグローバルの21万人にReachできます。